希望に向かって!
懐かしい友から思いがけない便りがあった
50年も昔の話になるが・・・
私は高校球児だった
公式戦ではほとんど負けてばかりの弱いチームだった
あるとき試合で明らかなミスジャッジがあった
試合が終わってチームメートが監督に言った
「もっと抗議をすべきだった」と
恩師の監督は静かにこう言った
「セーフとかアウトとかを抗議しても、それはお前たちのこれからの社会生活に決してプラスにはならない
世の中には正しいことばかりではない
間違ったことや理不尽なことは幾らでもある
今は野球を大切に思っているが
高校野球は勝ち負けではない
社会に出れば命を削るような苦しみや思いもよらない理不尽さに何度も出合うはずだ
自分のことではなくお前たちの大切な人のためにこそ抗議のエネルギーを使え
それまでは理不尽なことにも耐えなくてはならないことを学んで欲しい」
遠い昔の恩師の言葉だ
「勝った相手も、負けたお前たちも、未来には栄冠が輝いている」
<まなじりは 歓呼にこたえ いさぎよし>
<栄冠は 君に輝く>
老いた高校球児よ
くじけずに前を向こうよ
微笑む希望に向かって!