大樹
親木の根元に落ちた種や風や鳥や小動物たちが運んだ種が見事に生存競争に勝ち残り、何十年、何百年の歳月を忍ばせて立ち尽くす様はなんとも言えない風格があります。
一度根を下ろしたらいかなる環境であろうとそこを離れることは叶いません。
ただじっと踏ん張って根を張り枝を広げるのみです。
そんな忍耐が風格をかもし出しているように思われます。
チェンマイ郊外の山すそでそんな大樹を探しているとき見かけたものです。
家一軒のない間道を縫うようにして車を走らせてみると、突然小さな集落がありました。
これはその途中で見かけた木に張られた電線です。
周りには人家は無くこの電線も木立の中から現れて茂みの中に消えていきました。
きっとこのように木を利用して山奥の集落まで電線は引かれているのでしょう。
電柱を立てるよりは自然で良い感じですが、果たして木は痛くないのでしょうか?